今回は「第二章 小銃」なのだが、ちょっと長編過ぎるので半分で区切る事とした。
語彙に関しても小銃に関する専門用語が多く、結構知らないものや難しいものがあったのでググった内容を記しておいた。
解読結果は以下の通り。
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第二章 小銃
第一節 基本
一、 不動ノ姿勢
[號令]気ヲ著ケ
[要領]1.銃ヲ握ルニハ腕関節ヲ稍々前
ニ出シ 銃身ヲ拇指ト食指トノ間ニ置キ
他ノ指ハ食指ト共ニ閉ヂ軽ク屈メテ銃床
ニ添ウ
2.銃口ハ右臂ヨリ約十糎離シ銃身ヲ後
ロニシ
3.床尾踵ヲ右足尖ノ傍ニ置キ銃身
ヲ概ネ垂直ニ保ツ
二、 休憩
[號令]休メ
[要領]徒手ニ同ジ 此ノ際照星ヲ擦
ラザル如ク銃ヲ保ツ
三、 右(左)向 半右(左)向 後向
[號令]徒手ニ同ジ
[要領]徒手ニ同ジ 但シ右手ニテ銃ヲ少シク
上ゲ腰ニ支エ動作終レバ銃ヲ静カニ下ロス
四、 擔銃・立銃
1.擔銃
[號令]擔エ銃(ニナエツツ)
[要領]1.右手ニテ銃ヲ上ゲ銃身ヲ概ネ右ニ
且垂直ニシテ拳ヲ略〃肩ノ髙サニスル
ト同時ニ
2.左手ニテ照尺ノ下ヲ握リ
3.銃身ヲ半バ前ニ向ケ
4.銃ヲ少シク上グルト同時ニ
5.右臂ヲ伸バシテ食指ト中指トノ
間ニ床尾踵ヲ置ク如ク床尾ヲ握
リ
6.銃ヲ右肩ニ擔イ銃身ヲ上ニスルト同
時ニ左手ヲ遊底ノ上ニ置キ右上膞
ヲ軽ク体ニ接シ
7.床尾ノ環ヲ体ヨリ約十糎離シ
8.銃ヲ上衣ノ釦ノ線ニ平行セシメ
9.槓桿ノ髙サヲ概ネ第一第二釦ノ
中央ニシ
10.左手ヲ下ロス
2.立銃
[號令]立テ銃
[要領]1.右臂ヲ伸バシテ銃ヲ下ゲ銃
身ヲ半バ右ニ向ケ且概ネ垂直ニ
スルト同時ニ左手ニテ照尺ノ下ヲ
握リ
2.銃ヲ少シク下ゲ銃身ヲ右ニスルト同
時ニ右手ニテ木被ノ所ヲ握リ其ノ拳
ヲ略〃肩ノ髙サニシ
3.銃身ヲ後ロニシ之ヲ下ゲ腰ニ支エ同
時ニ左手ヲ下ロシ
4.銃ヲ静カニ地ニ著ク
五、 行進
1. 速歩行進
[號令]前ヘ進メ
[要領]イ.豫令ニテ擔銃ヲ為シ動令ニテ
行進ヲ起スモノトス
ロ.銃ヲ擔ウコトナク行進スルニハ 右
手ニテ銃ヲ少シク上ゲ腰ニ支ウ
2. 駈歩行進
[號令]駈歩進メ
[要領]豫令ニテ擔銃ヲ為シ剣室
ヲ握リ 動令ニテ行進ヲ起スモ
ノトス 銃ヲ擔ウコトナク駈歩
スル場合ニ於テハ速歩ノ要領
ニ準ズ 但シ豫令ニテ剣室ヲ握ルモノトス
3. 停止
[號令]分隊止レ
[要領]「止レ」ノ動令ニテ停止シ立銃ヲ為
ス 銃ヲ擔ウコトナク行進シタルトキ
「止レ」ノ動令ニテ停止セバ直チニ不
動ノ姿勢ヲ取ルモノトス
六、 著剣 脱剣
1. 著剣
[號令]著ケ剣
[要領]1.不動ノ姿勢ニ在ルトキハ 右手
ニテ小銃ヲ左ニ傾ケ銃身
ヲ少シク右ニ
2.銃口ヲ概ネ体ノ中央前ニシ
3.左手ニテ柄ヲ逆ニ握リテ
4.銃剣ヲ抜キ注目シテ確実ニ銃
口ノ所ニ著ケ
5.両手ニテ銃ヲ起シ不動ノ姿勢ニ
復ス
2. 脱剣
[號令]脱レ剣
[要領]1.不動ノ姿勢ニ在ルトキハ 右
手ニテ小銃ヲ左ニ傾ケ注
目シテ左手ニテ銃剣ノ柄
ヲ握リ
2.右手ヲ上ゲ拇指ニテ駐子ヲ押シ左手ニ
テ銃剣ヲ脱シ
3.之ヲ右ノ方ニ倒シテ剣尖ヲ下ニシ
4.右手ノ食指 中指ト拇指トニテ刃ヲ
挟ミ持チ他ノ指ニテ銃ヲ保チ
5.左手ヲ翻シテ柄ヲ握リ銃剣ヲ室
ニ納メ左手ニテ右手ノ下ヲ握リ
6.右手ヲ下ゲテ木被ノ所ヲ握リ両手ニテ
銃ヲ起シ不動ノ姿勢ニ復ス
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・拇指:親指。「拇」だけでも”オヤユビ”と読む。
・食指:人差し指。
・床尾:小銃などの銃床の末端部で、射撃のとき肩に当てる部分。
・床尾踵:床尾の角の部分。
・照星:銃身の先端にある突起状の照準装置。照尺と合わせて用いる。
・照尺:銃身の手前の方に取り付ける照準装置。照星と合わせて用いる。
・遊底:後装銃で弾薬を詰めるために,銃身の後尾を開閉する装置。
・上膞:上腕のこと。
・槓桿:”コウカン”と読む。銃の遊底 (ゆうてい) を操作するための握り。
・木被:銃床(銃やクロスボウの照準を安定させ発射時の反動を抑えるために肩に当てる部品)の木製部分
・略〃:ほぼ、だいたい。
・駐子:留ボタンの事か?