前回に続き今回も100年以上前の旧い写真を投稿。
上掛けのトレーシングペーパーには「大正四年三月十一日撮影」と記されているので、芳一18歳の時のもので、小生の手許にある芳一の写真の中では一番旧い。
二階外廊下の右から四人目の新聞らしきモノを読んでいるのが若かりし頃の芳一である。
建物や人の影が長く伸びていることから察するに夕刻の様で、会社の慰安旅行等で観光地を巡った後宿に到着し一風呂浴びたあとでの一コマのようである。
場所等の詳細は不明だが、写っている人力車をトレーシングペーパーには「三次某車夫」と書いているので、三次或いはその近郊であろう。
扨て、慰安旅行だとすれば当時芳一は何処に勤めていたのか小生は知らないのだが、「銀行マン」だったと云う話は芳子から聞いてはおり、また遺品の中に「広島縣農工銀行創立三十五周年記念 昭和八年九月」と記された置時計があるので、おそらくこの「広島縣農工銀行」につとめていたのではないかと思う。
人物自体は小さく写っているため芳一の表情がはっきり確認できないのが残念であるが、小生の手許にある唯一の「禿げていない時の芳一」の写真である…