昭和20年1月30日 三郎から母千代子への葉書 届いた小包は「お母さんの香が致しました…」

 

今回は待ちに待った小包がやっと届いた嬉しさを込めて三郎が母千代子へ宛てた葉書。

「これはお母さんの香が致しました」
本当に待遠しかったのであろう。
嬉しさが溢れている。

 

昭和20年1月30日 三郎から千代子への手紙①
昭和20年1月30日 三郎から千代子への手紙②

解読結果は以下の通り。

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御葉書並に封緘ハガキ正に受取りました 家には皆変り
ないとの事安心致しました 私も至極元氣と云いたい所です
が少々風邪ギミです が大した事はありません 兵科が定
りそれにつれて當然編成換があり私達は第七区隊
となりました 区隊長殿は増澤一平大尉殿ですから
その様御承知下さい 小包は仲々到かず小包がついたら
一緒に手紙を出そうと思っていてこんなに御無沙汰致し

※赤字は区隊長のコメント
三郎君 元気ニテ修養セラレ居リ益 御安心ヒ下度候 増

ました譯です 遂に本丗日到着致しました ほんとに有難うございました これは
お母さんの香が致しました
別段忙くのではないのですがついでの時 チリ紙 白モメン(カタン)
糸 筆(小筆ニ属スルモノ休暇ノ際ノ如キ)をお送り下さい
しもやけはなおりましたがなお注イしてゐます では又
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実家から送られてきた小包を開いた瞬間「我が家の香」が鼻腔を刺激し言い様の無い懐かしさを感じる事を小生も経験した事はあるが、「お母さんの香が致しました」とは本当に待ち焦がれ嬉しくそして懐かしかったのであろう。

チリ紙、糸、筆等の日常品を仕送りして貰わねばならない程物資不足が深刻であった当時、母親の愛情が詰まった小包ほど有難く嬉しいモノは無かったかも知れない…

因みに「白モメン(カタン)糸」とは「綿のミシン糸」のことで「カタン」とは「コットン」からきた言葉らしい。

「小筆」も所望しているが、確かに今回投稿の葉書は少々文字が読み辛く筆先が揃っていない様に思われる。
まぁ、それでも小生の文字よりは全然上手であるが…

 

投稿者: masahiro

1959(昭和34)年生まれ。令和元年に還暦を迎える。 終活の手始めに祖父の遺品の中にあった手紙・葉書の”解読”を開始。 戦前~戦後を生きた人たちの”生”の声を感じることが、正しい(当時の)歴史認識に必要だと痛感しブログを開設。 現代人には”解読”しづらい文書を読み解く特殊能力を身に着けながら、当時の時代背景とその大波の中で翻弄される人々が”何を考え何を感じていた”のかを追体験できる内容にしたい。 私達の爲に命を懸けて生き戦って下さった先達を、間違った嘘の歴史でこれ以上愚弄されないように…。

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